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主にある兄弟姉妹の皆さん、おはようございます。
英会話の生徒さんで、ご主人を亡くされた方が深い悲しみに沈んでおられ、こうおっしゃっていました。「夫が生きていた頃は、夫に感謝なんてありませんでした。でも夫が亡くなり、私は生きていく理由がなくなってしまったように感じています。それで今、私は生きる意味がわかったような気がするんです。それは『誰かと関わっていること』だと思うんです。」と。
全くその通りだと私も思います。人生の意味は、誰かと関わっていることにあり、特に私たちをお造りになった神と関わって生きていくことが、私たちにとって大切なのではないでしょうか。
最近、有名なキリスト教神学者で本も出しているJ.I.パッカー師が亡くなりました。何年も前から、いろいろな人に彼の本を勧められました。彼の古典的な名著「神を知るということ」から引用します。
「何故私たちは造られたのか。神を知るため。人生の目的は何か。神を知ること。イエスが与える永遠の命とは何か。神を知っていること。人生において何よりも喜びや満足を与えるものは何か。神を知っていること。」
J.I.パッカー氏の言う「神を知るということ」は、単に神について知識があることではありません。神との交わりを持つことを意味しています。今日は、3つの質問を通して、神を知るということについて考えていきたいと思います。
1) 神を知ることは何故大切なのか。
2) どのように神を知ることができるか。
3) 神を更に深く知ることを妨げるものは何か。
1) 神を知ることは何故大切なのか。
第一の質問は、神を知ることは何故大切なのかです。それは、神が神ご自身について私たちにもっと知ってほしいと願っているから、大切なのです。エレミヤ9章23-24節には、「主はこう仰せられる。『知恵ある者は自分の知恵を誇るな。つわものは自分の強さを誇るな。富む者は自分の富を誇るな。 誇る者は、ただ、これを誇れ。悟りを得て、わたしを知っていることを。わたしは主であって、地に恵みと公義と正義を行う者であり、わたしがこれらのことを喜ぶからだ。』」
とあります。神は言葉を話し、人格を持っておられます。神には考えや感情、意見があるのです。
聖書では、神と人間の関係を結婚に例えている箇所があります。結婚は親密な間柄でなければいけません。神は私たちと親密な関係を持つことを望んでおられます。
私たちは皆、神を知らずに生まれてきます。それは罪が原因です。人間はその歴史の最初から、神がしてはいけないと言ったことを犯してしまい、神との関係が壊れてしまいました。でも神は、関係の修復を願われました。神は私たちを追い求めてくださり、一人子イエス・キリストをこの世にお送りになりました。
私たちは、イエス・キリストを通して神を知ることが必要です。使徒4章12節には、「この方以外には、だれによっても救いはありません。世界中でこの御名のほかには、私たちが救われるべき名としては、どのような名も、人間に与えられていないからです。」とあります。
つまり、イエスキリストを通してのみ、私たちは罪の許しが与えられ、神との関係が修復されるということです。これによって、この世、そしてその後に続く私たちの人生は全く違ったものになるのです。イエスは永遠の命について、こう説明しています。「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」(ヨハネ17章3節) ですから永遠の命は、単に、幸せの地で永遠に生き続けることではないのです。神との交わりを持つことこそが、まことの命そのものなのです。
1)のポイントをまとめます。私たちは、キリストを通して神を知ることが大事です。何故なら、神がそれを望んでおられるからです。そして神を知ることで、私たちの現在の人生、これからの人生が大きく変わるからです。
2) どのように神を知ることができるか。
私たちはどのように神を知ることができるでしょうか。短く答えると、神を知るためには、主に聖書を読むことです。新約聖書の福音書を読み直すことはよい方法です。4つの福音書は、イエスの生涯や言葉を記しています。神を見てみたい、神の声を聞いてみたいと思うなら、福音書に記されているイエスの生涯を読むと、神がどのようなお方がわかります。へブル人への手紙1章3節に「御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現われであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました。」とあります。イエスが神のご性質やお考えを明らにされています。
聖書を読んだり、御言葉を日々考えることで、神と時間を過ごしましょう。そして生活の中のいろいろなことを神に話してみてください。あなたの大好きな友だちや家族に話すように。そのように神と時間を過ごしていく中で、聖霊によって、神の声が聞こえるようになり、神がどのようなお方かがもっとわかってくるようになります。
では、神を知っているかどうかを私たちはどのように確信できるでしょうか。一つは、神に従っているかどうかです。第一ヨハネ2章3-4節に「もし、私たちが神の命令を守るなら、それによって、私たちは神を知っていることがわかります。 神を知っていると言いながら、その命令を守らない者は、偽り者であり、真理はその人のうちにありません。」
神を知れば知るほど、神への信頼と従順は深まり、あなたの中で様々な変化が起こるので、違いは明らかになっていくでしょう。神を知れば知るほど、神に信頼できるようになります。神への信頼が深まれば、神の御心に従うことができるようになります。神に従うことができるようになれば、あなたの考えや習慣、性格が変わっていくのがわかるでしょう。すぐにそうなるわけではありません。時間がかかるのが普通です。
よく、長く連れ添った夫婦がお互いに似てくると聞いたことがありませんか。私は妻のことを知っていくうちに、妻の好きなもの、嫌いなものがわかるようになりました。例えば、私の妻は商品に値札が付いているのが嫌いなので、私は買ってきた物の値札をはがすようにしています。共に暮らすうちに、妻の好みに合わせることで似てくるのです。
2)のポイントをまとめます。神、イエスの行動を見て、その言葉に耳を傾けることで、私たちは神を知っていくことができます。それには日々聖書を読むことや、神と交わりを持っていくことが必要です。聖霊の助けによって、私たちは神に気付き、神に従っていくことができます。神を深く知っていくうちに、私たちは神に似たものにされていくのです。
3) 神を更に深く知ることを妨げるものは何か。
神を更に深く知ることを妨げるものは何でしょうか。妨げとなるものを3つ挙げます。
- 聖書をあまり読まない。聖書に従わない。
- 周囲のサポート不足
- 罪
まず、聖書を読むことを習慣にしていないと、神を深く知ることはできません。皆さん毎日とても忙しいと思います。仕事、家事、家族の世話を日々こなしていくのは大変です。また、新型コロナウイルスの状況で、若い親御さんたちは、家で自分の時間を持つことが更に難しくなっていることでしょう。
私の場合、聖書を以前のように読むことがなかなかできなくなりました。うちの赤ちゃんが聖書を見ると、つかもうとするのです。最近、1ページ引き裂かれてしまいました。でも感謝なことに、空白のページだったのでよかったです。そういう訳で、最近は聖書を読む代わりに、スマホでオーディオ聖書を聴くようにしています。料理したり、赤ちゃんの世話をしている間に聴いています。神の御言葉を聴くために、いろいろな方法を柔軟に試してみることが大事だと思います。また、例えば、一日15分くらいの短い時間、一人の時間が取れるように家族に頼むのもよいかもしれません。
神を知る妨げの要因として、周囲からのサポート不足もあるかもしれません。自分の人生や神との関係を他のクリスチャンと話したりすることをしないで、自分の力でクリスチャンになることは難しいと思います。
調査会社バルナグループとの提携で、アメリカン・バイブル・ソサイエティというキリスト教団体がある調査をしたところ、新型コロナウイルスで多くの教会が閉鎖しているこの時期、聖書を読むアメリカ人のクリスチャンが少なくなっているという結果が出たそうです。一方で、バイブル・スタディや交わりの小グループに参加しているクリスチャン、または、助言をしてくれるクリスチャンの先輩(メンター)がいる人は、聖書を読み、御言葉に従って生活している傾向にあったそうです。
でも、聖書を読んで、周りのサポートがあれば、クリスチャンとしてよい生活を送れることは明らかで、調査など必要ないと私は思います。運動するときと、とてもよく似ていると私は考えています。励ましてくれて、うまくいっているか確かめてくれ、課題も与えてくれるような友だちの存在が大事です。クリスチャンの友だちに自分から積極的に電話して話してみてはどうでしょうか。また、数人のクリスチャンとオンラインで定期的に会って、祈りの課題を共有し、最近読んだ聖書箇所を話し合うのも一つではないでしょうか。
もう一つ、神を知ることを妨げるものは罪です。罪は、神のご性質や神の御心に反するものです。罪はまた神よりも何かを大事にしてしまうことです。結婚において、夫婦の一方が一方を傷つけるとき、二人の関係に壁ができてしまいます。同じように、罪は神との関係において壁を作り、神を求める気持ちや神が望むことから私たちを遠ざけてしまいます。私たちは聖霊に定期的に心を探ってもらい、その壁を示してもらい、打ち壊してもらうよう祈らなければなりません。
結び
神をより深く知ることは、私たちの人生の最大の目的であるべきです。神を知れば知るほど、私たちは神に似た者にされていくのです。そのために神は私たちをお造りになりました。この目的を遂げるために、御言葉を思いめぐらしたり、神と会話し、交わりを持ち、神と過ごす時間を優先的に取るようにしましょう。
もし、それを実行するのが難しければ、クリスチャンの友だちの助けを借りましょう。天候のことだけではなく、信仰や人生のいろいろなことについて、もっとお互いに語り合うべきだと思います。それを始めるために一つ提案があります。「今日の宣教メッセージについてどう思いましたか」と、礼拝後に尋ね合ってはどうでしょうか。皆さんが更に神を知ることができるように、聖霊の助けがあるように祈ります。