やみの中を歩いている民は、大きな光を見た。

Pastor Ino

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今回は、旧約聖書のイザヤ書から2回目のメッセージです。クリスマスで良く参照される箇所を選んでみました。「やみの中を歩いている民は、大きな光を見た。」(イザヤ9:2)とのテーマでメッセージを語ります。これらの預言が語られた背景をよく考えながら、これらのキリストの誕生の預言の持つ意味をご一緒に考えて行けたらと願っています。前回のメッセージで語りましたが、イザヤが召しを受けた時には、イスラエルの国は北と南に2つに別れ、北イスラエルはアッシリヤによって滅ぼされ、捕囚とされて行く時期でした。そのような時期(紀元前734年頃)に、北イスラエルは神から離れ、アラムの王と同盟を結び、南ユダを攻撃してきます。南ユダの王も民も不安を覚え、ダビデの子孫に与えられている神の約束を忘れ、信仰が試されてまいります。そのような中で、語られた約束が今日学ぶ箇所です。皆さん、時代は繰り返します。失敗から学ぶことが必要であると思います。私たちの人生でも、困難な中に立たされる時、問題だけを見るのではなく、神の約束に目を注いで歩んで行きたいと思います。それでは、イザヤ書9章1-7節を読んでみてください。

少し戻りますが、7章1節には、ユダの王アハズの時にアラムの王と北イスラエルの王が、南ユダのエルサレムを攻めたが、戦いに勝てなかったとあります。2節では、アラムが北イスラエルに留まったことを聞き、南ユダの王も民も動揺している様子が書かれています。そのような時に神はイザヤを遣わして、南ユダは北イスラエルによって征服されるようなことは決して起きないとのメッセージをアハズ王に伝えます。
皆さん覚えておられますか。ダビデと結ばれた神の契約を。第二サムエル記7:12-16節を読んでみてください。特に、16節には、「あなたの家とあなたの王国とは、わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王国はとこしえまでも堅く立つ。」と書かれています。7章11節には、「あなたの神、主から、しるしを求めよ。」と神がイザヤを通してアハズ王に語りかけます。しるしを求めようとしない、ダビデの子孫アハズ王に、14節で、救い主が生まれる約束を神は与えています。「それゆえ、主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名をインマヌエルと名づける。」と。皆様もご存じのように、この預言は、イエスがダビデの子孫として生まれる時に実現してまいります。例えアハズ王はこの地上で国を失ったとしても、ダビデの子孫として生まれるイエスによって永遠に続く王国、天の御国がもたらされていくことになるのです。アハズ王は、結果的には、神とダビデ王との契約の一端を担う約束をいただくことになります。

9章1節には、苦しみのあった所に、やみがなくなる、と語りかけています。アッシリヤによって滅ぼされた地名がいくつか挙げられています。異邦人のガリラヤとは、アッシリヤによって征服された後に、他国人が移住させられてきて、ガリヤアが異邦人の地になってしまう姿を預言する表現です。しかし、そのような地も、キリストが生まれることによって、栄光を受ける地になって行くのです。2節には、「やみの中を歩いている民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った。」と書かれています。世の中の権威は一時的でしかありません。私たちの住んでいるこの地球上の国々もそうだと私は思います。しかし、神の御国は永遠です。キリストを信じる者たちを通して今でも神は働いておられます。ダビデの子孫として生まれる方、イエスとはどのような方なのでしょうか。6-7節をゆっくりと読んでみてください。主権はその方にあり、その方の名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれると書かれています。私たちは、素晴らしいカウンセラーであるイエスと一緒に生きることができるのです。全能なる方、永遠な方、平和をもたらすことができる方と一緒に生きることができるのです。

この方は、自分の国民を増やすことのできる方です。ミデヤンの日になされたようにとは(4)、士師記7章を参照してください。神は少ない信仰者を用いて大きなことをなすことのできる方です。キリストの主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、と表現されています。

それと比べて、北イスラエルは高ぶり、思い上がって(9)、仲間であったアラムとペリシテ人によって侵略を受け(12)、アッシリヤによって滅ぼされていきます。それは、万軍の主を求めなかったからであると説明されています(13)。さらに、アッシリヤでさえ、神に打たれ滅ぼされる日が来ることをイザヤは預言しています。(10:24,25)高ぶり、思い上がる、そのような国民を神はご覧になっています。そして、いつか滅びの日を迎えるようになるのです。このような預言をイザヤは語り続けています。

今の日本はコロナ禍の中、不安や心配の中に多くの方が生きています。しかし、困難や試練はどんな時代にもあふれています。歴史は繰り返して行きます。問題だけを見ることはやめましょう。信仰の目を持ってまいりましょう。私たち信仰者は、神を信頼して歩むことを忘れてはいけないと思います。私たちを愛して、救いの道を提供してくださるイエスがおられることを決して忘れないで歩んで行こうではありませんか。この方こそ、光となられた方であり、天の御国に私たちを迎えることのできる方であるのですから。

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