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今日からはダニエル書を取り上げます。前回聖書全体からキーになる言葉を分かち合いました。簡単に振り返りますと、まず、第一に神の創造があり、第二に人間の堕落があります。第三に、イスラエルの民の選びです。四番目に、イエス・キリストです。イエスは十字架を通して贖いの業を完成し、人類への救いの道を提供されたのです。五番目には、そのことを伝えるために教会が選ばれたことです。教会を通して福音が、世界に広がっていったのです。六番目には、創造の刷新です。神の創造の目的が回復し、刷新されるのです。刷新の時代、それは今私たちが生きている時代です。私たちはキリストを信じ、神の刷新の業に召され、被造物を管理する、その使命に生きています。
前回創造の刷新について言及しましたので、その視点から、ダニエルとその友人たちの信仰を取り上げ、私たちもこの地上で刷新の歩みができるようにチャレンジされたいと思います。ダニエル書1章では、ダニエルとその友人たちの置かれた状況が明らかにされます。ダニエルは、ユダの王エホヤキムの治世の第三年にバビロンに人質として連れて来られました。まだエルサレムは滅ぼされてはいませんが、ユダの王エホヤキムはバビロンに一時的に降伏したのです。そしてバビロンに連れて来られた者たちの中から、将来バビロンの王に仕えるために、4人の若者が王のもとで教育を受けることになります。1章4節を見ますと、この青年たちは、健康で、容姿も美しく、魅力的で、学問にも優れていた、そのような者たちであったことがわかります。彼らは、10代の青年たちであったと思われますが、もう一度、ユダヤ人のアイデンティティを回復し、祭司の王国、聖なる国民として、自分たちは歩もうと決断をするのです。彼らの信仰の決断は、8節に書かれています。そこには、「ダニエルは、王の食べるごちそうや王の飲むぶどう酒で身を汚すまいと心に定め、身を汚さないようにさせてくれ、と宦官の長に願った。」と書かれています。モーセの律法には食べてはいけない物が書かれています。彼らはモーセの律法を守り、そして偶像に捧げた肉やぶどう酒を食べたり飲んだりすることを避けたいと願ったのです。神の導きだと言わざるを得ないのですが、9節には、「神は宦官の長に、ダニエルを愛しいつくしむ心を与えられた。」とあります。彼の特別な配慮により、ダニエル達に神の律法を守って生きる道が開かれて行きます。そして、17節には、「神はこの4人の少年に、知識と、あらゆる文学を悟る力と知恵を与えられた。ダニエルは、すべての幻と夢とを解くことができた。」とあるのです。彼らは、神から知識と、あらゆる文学を悟る力と知恵を与えられたのです。そして特にダニエルには、幻や夢を解き明かす、その賜物が与えられたと書かれています。そしてこの4人の若者は、20節では、他の人たちよりも、10倍もまさっていたと表現されています。10は完全数ですから、特別に秀でた才能を神から与えられたと言えるでしょう。王も、この若者たちの存在に気づくことになります。そして、21節には、「ダニエルはクロス王の元年までそこにいた。」とありますから、ダニエルは長年何人もの王に仕え、80歳位まで活躍していたということがこの1章から読み取れます。
2章に入りますと、この若者たちに大きな試練がやってきます。バビロンのネブカデネザル王が夢を見て、心が騒ぎ、眠れなくなってしまったのです。そして、2節では、この恐ろしい夢は、何なのかと、王は、当時の学者たちに問いかけます。ところが王は、自分が見た夢を分かち会うことなく、彼らに自分が見た夢を伝え、その解き明かしをするようにと命じるのです。どう考えても王が見た夢が何なのか、誰もわかるはずもありません。この学者たちは、こう答えます。10、11節で、「この地上には、王が言われることを示すことのできる者は一人もありません。どんな偉大な権力のある王でも、このようなことを呪法師や呪文師、あるいはカルデア人に尋ねたことはかつてありません。王のお尋ねになることは、むずかしいことです。肉なる者とその住まいを共にされない神々以外には、それを王の前に示すことのできる者はいません」と。その結果、12節では、「王は怒り、大いにたけり狂い、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。」とあります。さぁ大変です。どの時代にも無理難題を投げかける指導者がいるものです。夢の解き明かしだけではなく、その夢を伝えなさいと言うのですから、それは不可能なことです。
ダニエルは問いかけます。15節からですが、「『どうしてそんなに厳しい命令が王から出たのでしょうか。』と。それでアルヨクは事の次第をダニエルに知らせた。」とあります。ダニエルは王の所に行き、王にその解き明かしをするため、しばらくの時を与えてくれるように願います。ダニエルには希望があったのです。自分には夢を解き明かす賜物が与えられていると信じ、自分の仲間に自分のために祈ってもらおうと考えたのです。そして17、18節で、ダニエルは自分の家に帰って、彼の同僚にそのことを伝え、「彼はこの秘密について、天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚が他のバビロンの知者たちとともに滅ぼされることのないように願った。」とあります。小さな希望です。自分たちは聖なる国民、祭司の王国の民として生きたいと願って、神に祈る決断をしたのです。
さぁ、奇跡が起こります。19節で、「そのとき、夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに啓示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。」とあります。そして彼は、神を褒めたたえて賛美するのです。その賛美を見てみましょう。21節に、「神は季節と時を変え、王を廃し、王を立て、知者には知恵を、理性のある者には知識を授けられる。」とあり、22節には、「神は、深くて測り知れないことも、隠されていることもあらわし、暗黒にあるものを知り、ご自身に光を宿す。」とあります。そして23節で、「私の先祖の神。私はあなたに感謝し、あなたを賛美します。あなたは私に知恵と力とを賜い、今、私たちがあなたにこいねがったことを私に知らせ、王のことを私たちに知らせて下さいました。」とあります。神は生きておられます。神は、王を立て、また時を定める方、そして隠されていることを表すことができる方です。神はご自分の光を輝かすことができる方です。祈りを通してダニエルは、王の夢を悟り、その夢を王に伝えることとなります。では、その夢はどんなものだったのでしょうか。
31から34節に、「王さま。あなたは1つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。あなたが見ておられるうちに、1つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。」とあります。それでは、彼の解き明かしを見てみましょう。37、38節では、「王の王である王さま。天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。あなたはあの金の頭です。」とあります。金の頭として、権力を握っている方、それはあなたですと語りかけます。39節には、「あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。次に青銅の第3の国が起こって、全土を治めるようになります。」とあります。ここであなたより劣るもう一つの国とは、メディアとペルシャの連合国のことです。そして青銅の第3の国とは、ギリシャのことであると理解できます。この預言のようにバビロンからペルシャに、そしてギリシャの支配へと歴史は動きます。40節には、「第4の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。」とあります。第四の国とは、ローマのことです。ローマ帝国は最も強力な力で今まで以上にその支配を広げます。ところがこのローマの時代に神の奇跡の技が起こるのです。1つの石がおこり、全てを打ち砕くのです。皆さん、この石とは、メシヤのことです。メシヤであるイエスが生まれて、そしてこのメシヤを信じる者たちが、時代や国境を越えて世界に広がって行くのです。このような幻をダニエルは王に伝えることになります。その解き明かしのゆえに、ダニエルは王によって高い位につけられて、バビロン全州を治める長官と任命されて参ります。
皆さん、今はクリスマスの時期です。もう一度イエス・キリストは預言されたメシヤであり、王の王であること認めて参りましょう。メシヤの国は永遠に立ち続けるのです。神の国は永遠に続いて行くのです。そして今、私たちは神の国の一端をこの地上で味わっています。聖なる国民になろうと決断した4人の若者の祈りに神は豊かに答えてくださいました。それが今日のメッセージです。文脈は違いますが、神の刷新の業をダニエルが体験したように、私たちも刷新や和解の業にキリストの助けによって関わって行こうではありませんか。
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